映画「ダム・マネー ウォール街を狙え!」を見る前に知っておいた方がいい知識
最近株を勉強し始めたので、株の勉強も兼ねて「ダム・マネー ウォール街を狙え!」を見てきました。実話をもとにした映画という事もあってか、映画としての面白さは分からなかったですが、事実を勉強するいい機会になりました。(下品な表現も多かったので、気になる方はあまりお勧めしません。)
この映画を見ている時に知らない単語が出てきており、あらかじめ知ってから見た方がより映画を楽しむことが出来ると思ったので今回は映画を見る前に知っておいた方がいい知識をまとめます。
ダム・マネー ウォール街を狙え!とは
公式サイトのストーリには以下のような紹介があります。
コロナ禍まっただ中の2020年。米マサチューセッツ州の平凡な会社員キース・ギル(ポール・ダノ)は、全財産の5万ドルをゲームストップ株につぎ込んでいた。アメリカ各地の実店舗でゲームソフトを販売するゲームストップ社は業績が低迷し、倒産間近のボロ株と見なされていたが、キースは赤いハチマキを巻き、ネコのTシャツ姿の“ローリング・キティ”という別名義で動画を配信し、この株が著しく過小評価されているとネット掲示板の住民に訴える。すると、キースの主張に共感した大勢の個人投資家がゲームストップ株を買い始め、2021年初頭に株価はまさかの大暴騰。同社を空売りしてひと儲けをもくろんでいた金融業界の大富豪たちは巨額の損失を被った。やがてSNSに集った無力な一般市民が、この世の富を独占するウォール街のエリートに反旗を翻したこのニュースは、連日メディアをにぎわせ、全米を揺るがす社会現象に発展。しかし一躍、時の人になったキースの行く手には、想像を絶する事態が待ち受けていた……!
この映画は2021年に発生したゲームストップ事件と呼ばれる個人投資家たちの株価つり上げ事件を題材にした映画となります。
ゲームストップ事件について簡単に解説すると
ビデオゲームの小売り業者であるゲームストップ社は売り上げが低迷していたため、ウォール街のヘッジファンドが空売り(後ほど説明します。)が行われていました。しかもネイキッドショートセリングという手法(こちらも後ほど説明します。)が用いられて過剰に空売りがされていました。この状況をヘッジファンドによる過剰な空売りだと判断したオンライン掲示板のユーザーが結託して空売りをつぶす作戦を行い、ヘッジファンドに対して巨額の損失を与えたというものになります。
redditとWallStreetBetsについて
映画ではredditとWSB(WallStreerBets)という単語がよく出てきます。
日本ではあまりなじみのないものですが、アメリカ発祥の掲示板投稿型のSNSとなります。(日本でいうと5ちゃんねるのようなイメージ)
redditの中には様々なカテゴリーがあるのですが、その中に「Wallstreetbets」というスレッドが存在してます。このスレッドは「個人投資家に力を与え、機関投資家に対応すること」を目的として2012年に設立されたコミュニティとなってます。(個人投資家集団Wallstreetbets(ウォールストリートベット)とは何か【ゲームストップ事件】より)
ダムマネーはWallstreetbetsを舞台とした映画なので、頻繁に登場します。分からなくても問題無いですが、頭の片隅に入れておくといいと思います。
また、映画の中で金髪のキャラクターが何回か登場しますが、これはWallstreetbetsのアイコンに登場するキャラクターみたいです。
ダイヤモンドハンド(💎👐)とは
映画でも登場するダイヤモンドハンドという単語ですが、こちらはRedditで登場する単語となります。Redditでは💎👐(ダイヤモンドハンド)という絵文字がよく登場し、意味としては「株を売らないよ=保持し続けるよ」というような意味で使われます。
蛇足になりますが、イーロンマスクもXでテスラはダイヤモンドハンドだとポストしてます。
Tesla has 💎 🙌
— Elon Musk (@elonmusk) May 19, 2021
Paper hands(🧻🙌)とは
映画の中で登場していたかうろ覚えですが、Redditのミームを調べていた際にあったため念のため紹介します。こちらはダイヤモンドハンドの逆ですぐに手放す人のことを言います。
To the moonとは
これもredditで登場するミームで、月まで届きそうな勢いで株価が上がっているという意味のミームです。ロケットのアイコン🚀と一緒に使われる場合もあります。(恐らくロケットが月まで行くことから価格上昇を示唆していると考えてます。)
ダム・マネー ウォール街を狙え!に出てくる株式用語
この映画には株式の用語が頻出します。知らなくても楽しめると思いますが、知ってから見た方がより楽しめると思います。
ヘッジファンド
簡単に言うと富裕層の方などからお金を集めていろいろな取引手法を用いて利益を出すことを目的としたファンド(集めたお金を運用の専門家が運用していく)です。
空売り
簡単に言うと株価が下がると利益が出る取引です。簡単に言うと最初に株を売って、安くなった時に買い戻すような取引です。
今回の場合はヘッジファンドがゲームストップ社が赤字で倒産するという考えのもと空売りを過剰に実施していました。株価が下がると利益が出るので、今回のように株価が急騰してしまうと、損失が大きくなってしまいます。
ショートスクイズ
株価が急騰する現象の一つです。発生する仕組みとしては大量に空売りされた銘柄が株価が上昇した場合、先ほども述べた通り空売りしている人にとっては損失となってしまいます。
空売りをしている人は少しでも損失を減らすために早く買い戻し(株を購入する作業)をします。大量の株を購入する注文が入ることで株価が上昇してしまいます。
ネイキッド・ショート・セリング
こちらは映画には登場してないですが、元となった事件で使われていたとされる手法です。
通常空売りをする際は取引の裏付けとなる株式を確保してから取引をする必要があるのですが、その裏付けが無し(ネイキッド=裸)の状態で取引が出来る空売りのことです。補足になりますが、空売りのことをショートとも呼びます。
大量の空売りをすることが出来るため、発行されている株式より多い株を空売りすることが出来、株価操作に利用されたりもします。(日本では禁止されているとのこと)(ネイキッド・ショート・セリングより)
事件の当時は120 %も残高があると指摘されていたみたいで、ショートセリングがされていたと思われてますが、(ゲームストップ株騒動の基礎知識(3) 13Fに示されたショートポジションより)
一部のメディアによると証拠は見つからなかったともいわれており、真相は不明です。(米SECがゲームストップ株騒動検証、市場機能は「健全さ」維持と結論より)
まとめ
映画「ダム・マネー ウォール街を狙え!」は、株式投資に関する知識がなくても楽しめる作品ですが、株式用語を理解することで、より深く理解することができます。上記の用語を参考に、映画をぜひお楽しみくださ()
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